とある夫婦の話。
夫は永い間大切にしてきたお茶道具を売りに
骨董品屋を訪ね歩いてはため息をついていた。
彼の望む金額を受け入れてくれる古物商がいなかったのだ。
途方に暮れる夫に、一人の男が声をかけた。
「どうしてそんな大金が必要なのか。」
夫は、ぽつり、ぽつりと話しはじめた。
夫は陶芸、妻は絵画が趣味であること
家には二人の作品が所狭しと飾られていること
二人でそれぞれの作品を並べて一緒に展示会を開いたこと
そのことが、生涯色あせない大切な思い出であること
妻がアルツハイマーになり
絵が描けなくなってしまったこと
それでも夫は陶芸作品をつくりつづけてきたこと
そしてもう一度、
かつて妻が描いた作品と夫の新作を並べて、
展示会を開きたいこと…
男は話を聞いて心を打たれ、
夫の希望する金額でお茶道具を買い受けた。
夫は大喜びで、「必ず招待する」と約束した。
1年後、夫婦の展示会に訪れた男は思った。
「いい買い物をした。」
男の瞳には、夫婦がこの上ないほど幸せそうに映っていた。
買い受けの その先を
あなたとともに 喜ぶために
とある夫婦の話。
夫は永い間大切にしてきたお茶道具を売りに
骨董品屋を訪ね歩いてはため息をついていた。
彼の望む金額を受け入れてくれる
古物商がいなかったのだ。
途方に暮れる夫に、一人の男が声をかけた。
「どうしてそんな大金が必要なのか。」
夫は、ぽつり、ぽつりと話しはじめた。
夫は陶芸、妻は絵画が趣味であること
家には二人の作品が所狭しと飾られていること
二人でそれぞれの作品を並べて
一緒に展示会を開いたこと
そのことが、生涯色あせない
大切な思い出であること
妻がアルツハイマーになり
絵が描けなくなってしまったこと
それでも夫は陶芸作品を
つくりつづけてきたこと
そしてもう一度、
かつて妻が描いた作品と夫の新作を並べて、
展示会を開きたいこと…
男は話を聞いて心を打たれ、
夫の希望する金額でお茶道具を買い受けた。
夫は大喜びで、「必ず招待する」と約束した。
1年後、夫婦の展示会に訪れた男は思った。
「いい買い物をした。」
男の瞳には、夫婦がこの上ないほど
幸せそうに映っていた。
買い受けの その先を
あなたとともに 喜ぶために