「歯医者で外した銀歯、捨てるのはもったいないかも……」 「古い銀歯が引き出しに眠っているけれど、本当に売れるのかな?」
歯科治療で新しく詰め物や被せ物をした際、手元に残った古い銀歯の扱いに困ってしまう方は少なくありません。見た目が黒ずんでいたり、ほんの小さな破片だったりすると、「こんなものに価値があるはずがない」と諦めてしまいがちです。
しかし、実はその銀歯には、金やパラジウムといった貴重な貴金属が含まれています。近年の地金相場の高騰もあり、想像していた以上の査定額になるケースも珍しくありません。
この記事では、銀歯が売れる理由や気になる買取価格の決まり方、売却時に知っておきたい注意点について、初めての方にもわかりやすく解説していきます。
銀歯は売れる?歯科金属に価値がある理由
結論から申し上げますと、使い古した銀歯は「売れます」。
たとえ歯科治療で役目を終えて外されたものであっても、変色して黒ずんでいたり、ほんの数ミリの小さな欠片だったりしても、その価値がなくなることはありません。むしろ、近年の金属相場の高騰により、想像以上の査定額になるケースが増えています。
なぜ、口の中にあった「中古の金属」にお金が支払われるのか、その納得の理由を紐解いていきましょう。
なぜ中古の銀歯に値段がつくのか
銀歯が売れる最大の理由は、その素材に希少性の高い貴金属が含まれているからです。一般的に「銀歯」と呼ばれるものは、主に以下の4つの金属が配合された「歯科用金銀パラジウム合金」で作られています。
- 金(Au):錆びにくく、世界共通の資産価値がある
- パラジウム(Pd):希少性が極めて高く、近年価格が急騰している金属
- 銀(Ag):加工しやすく、工業用としても需要が高い
- 銅(Cu):強度を保つために配合される
これらの金属は、精錬(不純物を取り除いて純度を高める作業)を行うことで、再び新しい地金として生まれ変わることができます。つまり、銀歯という「形」ではなく、そこに含まれる「成分」そのものに価値があるため、中古であっても買い取ることが可能なのです。
買取対象となる銀歯の種類
歯科治療で使われる金属には、形状や用途によっていくつかの種類があります。基本的には、貴金属が含まれているものであれば、以下のようなタイプはいずれも買取の対象となります。
| 種類 | 特徴 | 価値の目安 |
| インレー | 虫歯を削った部分にはめ込む「詰め物」 | 小さいが金やパラジウムが凝縮されている |
| クラウン | 歯をすっぽりと覆う「被せ物(差し歯)」 | 金属の使用量が多く、高価買取が期待しやすい |
| ブリッジ | 歯がない部分を補うために連結されたもの | 複数の歯をカバーするため重量があり、査定額も上がりやすい |
このほか、入れ歯を固定するための「クラスプ(金属のバネ)」や、差し歯の土台となる「コア」なども、金属製であれば価値がつく可能性が非常に高いです。
1本からでも買取してもらえるのか
「たった1本の銀歯だけでお店に行くのは気が引ける……」と、ためらう必要は全くありません。多くの買取専門店では、銀歯1本、あるいは数ミリの小さな破片からでも喜んで査定を行っています。
- 少量の持ち込みも一般的:1点からの査定は決して珍しいことではありません。
- 重量がすべて:形が崩れていても、重さに応じた価値がしっかりつきます。
- 処分の前に相談を:ご自身で「価値がない」と判断して捨ててしまうのが一番もったいない選択です。
「これって売れるのかな?」と迷うものがあれば、まずはプロの目で見てもらうのが、損をしないための近道です。
銀歯の買取価格はどう決まる?相場の仕組み
貴金属の「純度」と「重量」の計算
銀歯の価値を決定する基本となるのは、**「金属の純度」と「全体の重量」**の2つです。
- 純度(含有量):その銀歯の中に、金やパラジウムが何%含まれているか。
- 重量(重さ):不純物を除いた純粋な金属部分が何グラムあるか。
一般的に歯科用として使われる「金銀パラジウム合金」は、JIS規格によって成分比率がおおよそ決まっています(例:金12%、パラジウム20%など)。
査定の現場では、精密な計量器を用いて、1g(あるいは0.1g)単位で重さを量ります。この「純度 × 重量」の計算によって、ベースとなる価値が算出されるのです。
日々変動する金やパラジウムの相場
銀歯の買取価格は、**「当日の公表相場」**に連動して毎日変動します。金やパラジウムは世界中で取引されている資産であり、為替や国際情勢などの影響を受けて価格が常に動いているからです。
| 注目すべき金属 | 特徴と相場への影響 |
| 金(ゴールド) | 「有事の金」と呼ばれ、世界経済が不安定な時に上昇しやすい |
| パラジウム | 排ガス規制対応の触媒としての需要が高く、供給不足で高騰しやすい |
買取店では、その日の朝に更新される国内の地金価格を基準にして、お手持ちの銀歯の価値をリアルタイムで判断します。「昨日より今日の方が高い」ということも珍しくないため、タイミングを見極めることも大切です。
手数料や分析費用が発生する場合
最終的な受取額(お客様の手元に残る金額)には、店舗によって手数料や分析費用が考慮されることがあります。これには以下のような背景があります。
- 精錬コスト:銀歯には、歯の一部やセメント、樹脂(レジン)などの不純物が付着していることが多いため、それらを取り除き、純粋な金属として再生するための費用がかかります。
- 査定の透明性:信頼できる店舗であれば、「相場価格 × 重量」から差し引かれる手数料の内訳を事前に説明してくれるはずです。
「表示価格は高いのに、実際の手取りが少なかった」というギャップを防ぐためにも、査定時には「最終的にいくら受け取れるのか」を確認しておくのがスムーズな取引のコツと言えます。
売却前に確認!銀歯を売る時の注意点
歯の一部や汚れがついたままでも大丈夫か
結論からお伝えすると、歯の一部や歯科用セメント、レジン(樹脂)などが付着した状態でも、多くの買取店で査定が可能です。
無理に自分で削り落としたり、強い洗剤で洗ったりする必要はありません。かえって金属部分を傷つけたり、破片を紛失したりするリスクがあるからです。
- 水洗いで十分:衛生面が気になる場合は、軽く水洗いして乾燥させる程度で問題ありません。
- 重さに含まれない:査定時には付着物の重さを差し引いて計算するため、見た目の汚れが買取価格に大きく影響することはないのでご安心ください。
- 「そのまま」が一番:大切なのは金属の成分ですので、形状が変わっていても、付着物があっても、そのままの状態でお持ち込みいただくのが一番スムーズです。
歯科医院で銀歯を返却してもらう方法
これから治療を受ける場合、外した銀歯は「自分の所有物」ですので、歯科医院に返却を求めることができます。ただし、何も言わないと医療廃棄物として処分されてしまうのが一般的です。
以下のポイントを参考に、早めに意思を伝えましょう。
- 治療前に伝える:「外した銀歯は持ち帰りたいので、取っておいていただけますか?」と、治療が始まる前に歯科医師や歯科衛生士の方へ伝えておくのが最も確実です。
- 同意書が必要な場合も:医院によっては、感染症対策などの観点から、持ち帰りに関する同意書への署名を求められることがありますが、特別なことではありません。
- 返却のタイミング:新しい被せ物が入るタイミング(数日後)にまとめて返却されるケースが多いです。
「売却したいから」と正直に伝えても全く問題ありませんが、気が引ける場合は「記念に持っておきたい」「自分で処分したい」と伝えるだけでも十分です。
買取時に必要な本人確認書類
銀歯の買取は「古物営業法」という法律に基づいた取引となるため、ご本人の確認ができる書類の提示が必ず求められます。
「たかが銀歯なのに大げさな……」と感じるかもしれませんが、これは不正な取引を防ぐための大切なルールです。以下のいずれか(有効期限内のもの)を忘れずに用意しましょう。
- 運転免許証
- マイナンバーカード
- 健康保険証
- パスポート
店舗によっては、200cmといった大きな品物ではなくても、数ミリの銀歯の買取であっても一律で本人確認を行います。「今日は持っていないから後日に……」となってしまわないよう、お財布に入っているか事前にチェックしておくと安心ですね。
まとめ
「銀歯って本当に売れるの?」という疑問をお持ちの方へ、改めてお伝えします。使い古した銀歯には、金やパラジウムといった貴重な貴金属が含まれており、確かな価値があります。
今回のポイントを振り返ってみましょう。
- 銀歯は立派な資産:黒ずんでいても、1本からでも買取は可能です。
- 価格は「純度×重量」で決まる:日々の金属相場に合わせて、適正に査定されます。
- そのままの状態でOK:付着物はそのままで大丈夫。歯科医院で返却してもらい、本人確認書類を持ってお店へ行きましょう。
「これはゴミかな?」と迷って捨ててしまう前に、ぜひ一度、お近くの買取専門店でプロの査定を受けてみてください。
まずは気軽に、無料査定から始めてみてはいかがでしょうか。