独創的な香りの世界観で支持を集めるディプティック。2026年2月には、ブランドの象徴的な香りである「オルフェオン」に待望のオードトワレが加わり、白ボトルのラインアップはさらに充実しました。
本記事では、新作オルフェオンを含むオードトワレ全種類の特性を、系統ごとに整理して解説します。
「黒ボトル」と呼ばれる「オードパルファム」シリーズはこちらで紹介しています。
ディプティック「オードトワレ」の特徴と魅力
ディプティックの「オードトワレ」は、ブランドの象徴である楕円形のラベルを白い背景で彩った「白ボトル」として親しまれています。香水文化の奥深さを伝えるディプティックにおいて、オードトワレは単なる入門編ではなく、独自の軽やかさと瑞々しさを追求したもう一つの主役といえます。
白ボトルに象徴される軽やかさと瑞々しさ
オードトワレの最大の特徴は、纏った瞬間に広がるフレッシュな空気感です。香料の濃度(賦香率)が抑えられているため、香りが重くなりすぎず、素材が持つ本来の瑞々しさが際立ちます。朝の身支度の際や、リフレッシュしたい時に気軽に纏える使い勝手の良さは、多くのファンに支持される理由の一つです。
オードパルファン(黒ボトル)との香りの構成の違い
ディプティックにおけるオードトワレとオードパルファンの違いは、濃度の差だけではありません。公式でも「物語の異なる解釈」と表現される通り、同じ名称の香りでも構成が異なります。例えば、オードトワレはトップノートの輝きや透明感を強調するよう調香されており、オードパルファンが持つ濃密な深みとはまた別の、光が差し込むような明るい表情を楽しむことができます。
日常のさまざまなシーンに馴染む使い心地
ふんわりと優しく香るオードトワレは、オフィスシーンや食事の場など、周囲への配慮が求められる場面でも馴染みやすいのが魅力です。香りの持続時間は数時間程度とされていますが、その分、時間帯や気分に合わせて別の香りに着替えたり、ヘアフレグランスと重ねたりといった自由な楽しみ方が可能です。日常の動作に合わせて、さりげなく香りを漂わせたい時に適したラインアップといえます。
フローラル・シプレ系のラインアップ
ディプティックのオードトワレにおいて、フローラルとシプレのカテゴリーは、花の瑞々しさや植物の緑を感じさせる軽やかな香りが揃っています。白ボトルならではの透明感あふれる5つの香りをご紹介します。
ド ソン(DO SON):テュベローズが香る爽やかな海風
創業者が子供時代に過ごしたベトナムの海辺の記憶を呼び起こす香りです。オードトワレでは、主役であるテュベローズにオレンジの葉やローズベリーが加わり、海風に乗って届く花のような、瑞々しく軽やかな印象を与えます。フローラルでありながら甘すぎず、清潔感のある華やかさが特徴です。
オー ローズ(EAU ROSE):朝摘みのバラのような瑞々しさ
ダマスクローズとセンティフォリアローズという2種類のバラを贅沢に使用した、ブランドを代表する花の香りです。オードトワレは、バラの蕾に朝露が滴るようなフレッシュな透明感に溢れています。ライチのフルーティな甘みが微かに重なり、バラ本来の自然な美しさを軽やかに纏うことができます。
ロンブル ダン ロー(L’OMBRE DANS L’EAU):カシスの葉とローズの調和
「水に映る影」を意味するこの香りは、カシスの葉の青々とした香りと、ブルガリアローズの芳醇な重なりが特徴です。オードトワレでは、摘みたての葉をすり潰したようなグリーンの鋭さが際立ち、川辺の庭園にいるような涼しげな情景を描き出します。独創的で洗練された、ディプティックの哲学を感じさせる一品です。
オー キャピタル(EAU CAPITALE):軽やかに纏うパリのシプレ
パリへのオマージュとして誕生したシプレ系の香りを、オードトワレらしい軽快なタッチで表現しています。溢れるようなローズのブーケを、パチュリの深みとピンクペッパーの刺激が引き締めます。ベルガモットのシトラスノートが明るく広がり、都会的でエレガントな空気感をさりげなく演出する構成となっています。
オー デ サンス(EAU DES SENS):五感を刺激するオレンジブロッサム
ビターオレンジの木を、花から枝、葉、果実まで丸ごと表現したような、多面的なシトラス・フローラルです。オレンジブロッサムの華やかさにジュニパーベリーの清涼感が加わり、肌に馴染むと石鹸のような清潔感のある香りに変化します。性別を問わず愛される、ディプティックらしい独創的なバランスが魅力です。
ウッディ・グリーンのラインアップ
樹木や葉、森の静寂を思わせるウッディ・グリーンのカテゴリーは、ディプティックのナチュラルな世界観を最も象徴するラインアップです。新作を含む4つの香りをご紹介します。
フィロシコス(PHILOSYKOS):イチジクの葉と木が放つ自然の息吹
ギリシャの夏の記憶から生まれた、ブランドを代表するイチジクの香りです。オードトワレでは、もぎたてのイチジクの葉の青々とした瑞々しさが際立ち、ミルキーな果実味とホワイトシダーの軽やかなウッドが重なります。まるで初夏の木陰で風を感じているような、ナチュラルで透明感のある構成が魅力です。
タム ダオ(TAM DAO):サンダルウッドが香る穏やかな静寂
創業者が幼少期を過ごしたベトナムの山々をイメージした、サンダルウッド(白檀)主体の香りです。オードトワレは、サイプレスやマートルの清涼感がトップで明るく弾け、その後に温かみのある柔らかなサンダルウッドが肌に馴染みます。寺院の静寂を思わせる落ち着きがありつつも、日中も纏いやすい軽やかさを備えています。
ヴェチヴェリオ(VETIVERIO):ヴェチヴァーとフレッシュなシトラス
ハイチ産のヴェチヴァーに、イタリアンレモンやグレープフルーツを掛け合わせた、洗練されたウッディノートです。オードトワレでは、ヴェチヴァー特有の土っぽさがシトラスの酸味によって軽やかに中和され、瑞々しいローズのニュアンスも感じられます。ウッディ系でありながら、どこかフローラルのような華やかさも併せ持っています。
オルフェオン(ORPHEON):【2026年新作】伝説的なジャズクラブを軽やかに再現
2026年2月に待望のオードトワレ版が登場した「オルフェオン」は、創業の地パリに実在したジャズクラブの熱気を描いています。オードパルファンの世界観を軽やかに再解釈したトワレ版では、ユズやグリーンマンダリンといったシトラスの輝きがトップに加えられました。ジュニパーベリーやピンクペッパーのスパイシーな清涼感に、ローズとマグノリアのフローラルが続き、シダーとムスクが温かく締めくくります。
ヘスペリデス(シトラス)・その他のラインアップ
ディプティックのオードトワレの中でも、柑橘の輝きを放つ「ヘスペリデス」や、ブランドの歴史を物語る個性的な香りは、日常を鮮やかに彩ってくれます。ここでは白ボトルで展開されている5つの香りをご紹介します。
オイエド(OYEDO):柚子とフランボワーズの独創的なシトラス
日本の古都「江戸」にインスパイアされた、ユニークなシトラスノートです。柚子やレモンの鋭い酸味に、フランボワーズの微かな甘みとタイムのハーブ感が重なります。単なる爽やかな柑橘に留まらない、遊び心あふれるエネルギッシュな香りが、オードトワレらしい軽快さで広がります。
オー デュエル(EAU DUELLE):軽やかでスパイシーなバニラの旅
バニラをテーマにしつつ、決して甘すぎないドライな質感が魅力の香りです。オードトワレでは、カルダモンやピンクペッパーといったスパイスの刺激がより強調され、バニラのまろやかさと軽やかに調和します。オリエンタルな雰囲気がありながらも、重さを感じさせない洗練された仕上がりです。
ロー(L’EAU):ブランドの原点であるスパイスの香り
1968年に誕生した、ディプティック初のフレグランスです。16世紀の古いレシピをもとにしたというこの香りは、シナモンやクローブの温かなスパイスに、ローズやゼラニウムのフローラルが重なります。時代を超えて愛される、ブランドの「原点」ともいえるクラシックで知的な香りを、トワレで軽やかに楽しめます。
オレネ(OLENE):夕暮れの庭園に咲く白い花々
ベネチアの庭園をイメージした、白い花々のブーケのような香りです。ウィステリア(藤)やジャスミンの可憐な甘さが、スイカズラの瑞々しさと溶け合います。オードトワレならではの透明感により、まるで夕暮れ時の涼やかな風に乗って香ってくるような、優雅で幻想的な印象を与えてくれます。
ゼラニウム オドラタ(GERANIUM ODORATA):洗練されたグリーンの輝き
ゼラニウムの花と葉、その両方の魅力を凝縮したアロマティックな香りです。ベルガモットのシトラスから始まり、次第にゼラニウムの清々しいフローラル、そしてピンクペッパーのアクセントへと移ろいます。清潔感あふれるグリーンのニュアンスは、男女問わずオフィスなどの日常使いに適しています。
まとめ
ディプティックのオードトワレ(白ボトル)は、ブランドの歴史を物語るクラシックな香りから、2026年に加わった「オルフェオン」まで、実に多彩なラインアップが揃っています。オードパルファンとは異なる軽やかさや瑞々しさは、日常のあらゆるシーンに溶け込み、纏う人の個性をさりげなく引き立ててくれます。本記事が、ディプティックの広大な香りの庭園の中から、お気に入りの一品を見つけるきっかけとなれば幸いです。