自宅の掃除をしていたら切手のコレクションが出てきて、その中に「月に雁(つきにかり)」が入っていたら、大切に保存することをおすすめします。
なぜなら、月に雁は切手の中でも特に高値で買取してもらえる可能性があるからです。
ここでは切手「月に雁」がどれだけの価値を持つのか、切手を買取査定に出すときの注意点などを紹介していきます。
切手「月に雁(つきにかり)」の買取相場
「月に雁」は、切手趣味週間シリーズにおいて発行された切手であり、歌川広重の作品がデザインに採用されました。
ここでは月に雁を買取査定に出そうと考えている方のために、どれほどの値段で取引されるかについて紹介していきます。
月に雁の買取相場は5,000~7,000円
「月に雁」の買取相場は1枚あたり、およそ5,000円前後で推移しています。中でも特に状態が良いものであれば7,000円で買い取られる例もあります。
また、初日の消印が捺された「初日カバー」に貼り付けられていれば、買取価格はさらに上昇し、10,000円前後の査定がつくこともあります。
この切手が高値で取引される背景には、先に発行された「見返り美人図」がコレクターの間で価値が高騰したことにあります。
1シートの買取相場は2万~3万円
大前提として、基本的に切手はバラの状態よりも、シートの状態のほうが高く評価されます。
これは、バラの状態の切手よりも、シートのまま保たれているものの方が流通している数が少なく、貴重だからです。
月に雁の場合、1組5枚で1シートとなり、1シートの買取価格は20,000~30,000円です。
特に状態が良ければ高値での買取が期待できるので、自宅にこの切手があった場合、適切な方法で保管しておきましょう。
復刻版の買取相場は高くても500円前後
プレミア切手として買取価格が高騰している「月に雁」ですが、初版以外にも復刻版があることで知られています。
月に雁(初版)の買取価格が2,000~7,000円であることに対して、復刻版は流通量が多いためプレミア価値はそこまで認められず、額面以下~500円という査定です。
これはどのような切手にも言えることですが、基本的に発行年代が古ければ古いほど、買取査定額は上がる傾向にあります。
しかし、発行から時間が経過した切手の中には保存状態に難があるものもあるので、どのように管理するかが重要です。
復刻版や偽物との違いは何?月に雁の見分け方
「月に雁」は高値で買取されている切手のため、残念ながら偽物も流通しています。
特に復刻版に対する偽物が多く流通しているため、買取査定に出す前に、まずはお手元の「月に雁」が本物かどうか、その見分け方を確かめておきましょう。
オリジナル版と復刻版の見分け方
まずは「月に雁」のオリジナル版と復刻版の違いですが、これは偽物の切手と見抜くことよりも遥かに簡単です。
チェックするポイントは切手に記された額面なのですが、オリジナル版は「800」となっているのに対し、復刻版は「80」と記されています。
また、復刻版は「80」の文字の下に「NIPPON」と印字されているので、簡単に見分けがつきます。
オリジナル版と偽物の見分け方
次にオリジナル版と偽物も見分け方ですが、残念ながらこの切手の偽物は非常に精巧に作られているため、偽物であることを見抜くことは難しいでしょう。
一部作りが雑などのポイントはありますが、切手に詳しくない人がそれを見抜くのは困難です。
お手元の「月に雁」が本物かどうか分からないのであれば、まずは鑑定へ出してみましょう。
月に雁と一緒に売却したいおすすめ切手
月に雁を査定に出すのであれば、一緒に別の切手も添えて申込みを行うと査定金額がアップするかもしれません。
ここでは月に雁を査定に出す際に、セットにして査定に出すと高値での買取が期待できる切手の一部を紹介します。
プレミア切手
一般的に買取価値の高いプレミア切手は、セットで査定に出すことにより高値での買取に期待が膨らみます。
「見返り美人」
1948年に発行された「切手趣味週間」シリーズのうちの1枚であり、菱川師宣の「見返り美人図」をデザインしたものです。
終戦直後に発行された切手であり、その頃はまだ印刷技術が乏しいという事情もあったため、シンプルな装飾に仕上がっています。
「切手趣味週間記念」
「見返り美人」も「切手趣味週間記念」シリーズの1枚ですが、その他のシリーズも買取価格に期待できます。
「ビードロを吹く娘」
喜多川歌麿「ビードロを吹く娘」をデザインした切手であり、先程に紹介した2枚と同じく「切手趣味週間」で発行されたものです。
特殊切手
「特殊切手」も切手の中ではプレミア価格が付くことで知られています。
特殊切手とは、文化財やキャンペーンの宣伝、ときには国家的な宣伝に用いるために発行されたものです。
国立公園シリーズ
その名の通り日本に点在している国立公園をモチーフにした切手です。
美しいデザインがコレクションを高め、買取業者の中でも高く評価されているのが特徴です。
文化人切手
日本の文化の発展に対して大きく貢献した人物をデザインしたものが「文化人切手」であり、西洋哲学に関する活動を行った「西周」のものが特に高値で取り引きされます。
国宝切手
日本の国宝をデザインした切手であり、古い年代に発行されたものは特に高く評価されます。
中国切手
日本以外で発行された切手も物によっては高く買取してもらえます。
特に中国で発行された「中国切手」は買取価格のアップが期待できます。中国の景気が上向いている状況にあった際に、中国国外に流出したさまざまな切手を買い戻そうという動きがあったため、高値で買取してくれる業者が増えました。
中国切手の中でも特にプレミア価格がついているのが、切手内の中国地図に問題があったため、発売直後に発行が停止されてしまった「全国の山河は赤一色」です。
その他の中国切手では、梅蘭芳舞台芸術「貴妃酔酒の舞台」、天安門図第5版などは高値で取り引きされています。
月に雁の切手を売るための手続き方法
ここでは、月に雁をはじめとする切手を実際に買取店へ買取査定に出すための手続方法について紹介していきます。
ここで紹介している方法をあらかじめ行っておけば、スムーズに切手を買取査定に出せるでしょう。
必要書類を準備しておく
品物を買い取ってもらう際には、必要書類を揃える必要があります。必要書類は買取専門店によってさまざまであり、お店によっては定められた買取申込書をダウンロードして、記入しておかなければいけません。
また、買取金を振り込むための銀行口座も必要なので、口座が無い場合はあらかじめ用意しておきましょう。
買取店の案内で手続きを進める
事前の準備が完了したらいよいよ手続きを進めていきます。
実際の手続きはお店へ持ち込むか、それとも宅配買取かによって流れが変わってくるのですが、お店へ持ち込んだ場合は即日査定されることがほとんどです。
逆に宅配買取にした場合、商品の配送の都合もあるため、査定結果が連絡されるまで2~3日程度要することを覚えておきましょう。
月に雁の切手をなるべく高く売るには
高値で取引されている切手の月に雁ですが、せっかく買取してもらうのであればできるだけ高価買取してもらいたいものです。
ここでは月に雁を少しでも高く買取業者に査定してもらうためのポイントをいくつか紹介していきます。
5枚1シートで売りに出す
切手にはバラの状態で販売されているものと、シート状で販売されているものがありますが、後者であれば基本的にシートのままで査定に出してください。
1枚でも使用されていると残りの切手もバラ扱いになってしまい、買取価格は下がってしまいます。
また、少しでもミシン目に切れ込みが入っている場合でもバラ扱いにされてしまうので気をつけましょう。
良好な保存状態を保つ
大事な切手を少しでも高値で買い取ってもらうためには、保存の仕方が肝心です。
切手は特に直射日光、水分、皮脂に弱いため、保存の際には細心の注意を払わなければいけません。
切手を保存するのであれば、専用のファイルなどを用いることで劣化を防ぐことが可能です。
せっかくの価値ある切手を不用意に劣化させないためにも、保存状態は常に高く保ちましょう。
実績豊富な買取専門店へ依頼する
大切な切手を高く買い取ってもらうためには、どのお店に査定を出すのかも重要なポイントです。
切手を買い取ってくれるお店はたくさんありますが、切手を買い取った実績が豊富な買取専門店へ依頼するといいでしょう。
買取専門店は他の品物とまとめて査定に出すと査定額がアップすることがあります。